フジロック ’21を待ちながら

幻のフジロック 2020を経て、2021年の苗場まで。

【ホワイトステージ】MGMTでからまれる

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今日は私が

 

っんだょ!!もぉぉおおっ!!!」

 

と、ホワイトステージで叫んだ話。

 

 

 

 

 

ー2010年のフジロック

 

二日目の土曜。

ホワイトステージのトリはMGMT

 

2007年にリリースされた『Oracular Spectacular』は、フジロックに行っているみんなが大好きだったろうし、当時とにかくいろんなイベントで“Kids”が流れまくっていた。

 

MGMTはフジに合いそうだなぁ」と思っていたので、ラインナップで発表された時から、かなりワクワクしていた。

 

 

当日も案の定ホワイトステージはすごい集客だった。

 

裏のグリーンのヘッドライナーがレジェンド枠で【ロキシー・ミュージック】だったので、10代〜30代はみんなホワイトに集まっていたのではないだろうか。(あの時期のレジェンド枠のこだわりは何だったのだろう)

 

MGMTのステージが始まると、人の波はさらにうねりだした。

 

「こりゃ前の方に行ったら、出るときキツイな。」

 

 

頻尿な私はライブを見るとき、常にトイレの不安と駆け引きしている。

 

 

ステージも後半に差し掛かった頃、人混みが少ないスペースを見つけたのでタバコを吸った。

 

Kidsは絶対聞きたいから、一服したら小便しとくか)

 

なんて考えてると、

 

 

『おい!コラぁ!タバコ吸ってんなよ!!』

 

突然若い兄ちゃんに怒鳴られた。

 

「ひいぃっ!かっ、からまれたぁ!!」

 

 

 

『タバコ消せよ!』

 

 

(いや、火つけたばっかだし

 

 

 

『ここは禁煙だろーが!』

 

 

(いや、PAより後方は禁煙じゃないし、一応周りに気遣って吸ってるし

 

 

向こうは彼女連れだったので正義感をアピールしたかったのだろうか。

 

確かにタバコの臭いや煙を不快に思う人は多い。

 

それに関しては申し訳ない。

 

だからこそ、煙は極力周りに撒かないよう上空に吐き出し、最低限のマナーを守り、あくまでルールの範囲で吸っているのだ。

 

 

それより、いきなり怒鳴りつけて来るお前こそ何なんだ。

 

 

『早く消せコラぁ!』

 

 

今こいつと争ってる場合じゃない。

 

私が今争っているのは【尿意】だ。

 

 

しかし、さすがに言い方に腹が立った。

 

 

 

「うるせぇこの野郎!ここは禁煙じゃねーし、いきなり怒鳴るな!」

 

 

 

『はぁ?何だおい、やんのかよ!?』

 

 

 

「彼女さん困ってるだろうよ。どっか行け!」

 

 

 

向こうも彼女連れなので引くに引けないのだろう。

 

こちとら“Kids”が始まる前にトイレに行かなきゃいけないのに。

 

 

 

しかし、この後こいつは自分の投げたブーメランで、あっけなく自爆するのである。

 

 

 

『よーし分かった!

 おい! 表出ろや!! 』

 

 

 

 (ヒュンヒュン、ヒュンヒュンヒュン

 

 

 

 

 

 

「表だココは!!」

 

 

(グサァッ!!)

 

 

 

 

「メチャメチャ表だっぺよ!」

 

そう、ここはフジロック

野外フェスティバル。

オモテ中のオモテなのだ。

 

 

きっと、一度言ってみたかったセリフだったのだろうが、

彼の口から放たれたブーメランは放物線を描き彼自身に突き刺さった。

 

ブーメランが刺さったまま無言になる彼氏。

その刺さったブーメランを見つめる彼女。

 

(だから、彼女の前でやめときなよって言ったのに。)

 

 

文字通り口論の火種となったタバコはいつの間にか消えていた。

 

ほとんど吸えてない。

 

 

 

その時、

 

最悪のタイミングでステージからあのイントロが流れる。

 

 

チャッ・チャッ・チャーチャ♪

チャーチャ・チャッ・チャ・チャー♪

 

 

再び動き出す人混み。

 

 

ブーメランが刺さった彼は、

 

その波に飲まれ暗闇へと消えていった。

 

 

 

一番楽しみにしていた曲なのに、

こんなテンションで聞かなきゃいけないなんて

 

 

っんだょ!!もぉぉおおっ!!!」

 

 

 

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「ドンマイ。」

「シカタナイヨ。」