【本陣】夏合宿の朝食
フジロック期間中、一度は訪れる『本陣』。
みなさんにとっても馴染み深い場所であろう。
きったない姿の我々を優しく受け入れ、
小さな脱衣所で行列の尻を前に並び、
日焼けした肌が痛い湯船に浸かり、
風呂上りに小さな境内に腰をかけビールを飲み、
友達がみんな風呂から上がったら食堂へ移動して朝食バイキング。
席に座って「昨日のライブ誰が良かった?」とか、「今日はこう動く」とかなんだかを話しながらメシを食う。
自分たち以外もみんなリストバンドを付けている。
自分たち以外もみんな同じ話題で会話している。
本陣の朝食バイキングは、まるで夏合宿のようだ。
周りのみんなは他人なのだが、同じ釜の飯を食って、同じ風呂に入って、同じ話題で会話する。
料理の味も良い意味で「フツー」。
会場内では色んな国の味付けの料理を食べるし、野菜も不足しがち。胃の負担もでかい。
そこにきて、このフツー加減が最高なのだ。
食事を済ませ、また会場へ向かうフジロッカー達に、
「がんばってきなね!」
と、まるで高校球児にエールを送るような食堂のおばちゃん。
やっぱり本陣は夏合宿だ。
しかしながら、本陣を出発して私たちがやる事は、
汗をかきながら白球を追いかけるのではなく、
キャンプサイトでダラダラしながらビールを飲むことなのだ。