フジロック ’21を待ちながら

幻のフジロック 2020を経て、2021年の苗場まで。

【フジロックBBQ】失敗談


はじめてのフジロックから3年間くらい、キャンプサイトでバーベキューをしていた時期がある。


フジロックを友達と企画していた時に、


「寝泊りはキャンプサイトだよねー。」


『あっ、ここBBQ出来るらしいよ!』


「おお!やっぺ!やっぺ!」


みたいな、いかにも大学生のノリで初フジのコースにBBQを掘り込んだ。


茨城で食材買って、東京にいる友達拾って苗場に向かった。


会場に着くまでに8時間近く経過していた。


金曜の夜中に着いて、急いでテントを建ててオールナイトフジへ。


翌日昼過ぎにダラダラとBBQを開始。

この時点で食材を買ってから20時間経過。


当時のバーベキューエリアは今ほど整備されておらず、U字ブロックが適当に散らばっていて


『あとは好きにやりな』


って感じの簡素なものだった。



地べたに座り炭に火を移す。


クーラーボックスを開けると、まだ焼いていないのに茶色くなった肉、肉、そして肉。


「多少腐ってても焼けば食える」という、根拠のない精神論で肉に喰らいついた。

焼肉のタレをベチョベチョに付けて臭みをごまかしながら。


しかし、このバーベキューエリアは実に人通りが多い。


多くのフジロッカーがテントから下りてきて颯爽と会場に向かう通り道なのだ。


そこで我々がやっていることはというと、


・決して景色の良くない場所で

・椅子もないので地べたにあぐら組んで

・腐った旨くもない肉を

U字ブロックの上で焼いて食っている


この差は何だろう?

2日目の午後だというのに、まだグリーンステージにも行っていない。

しかも買ったのは3日通し券だ。


コレが夢にまで見たフジロックなのか?


明らかに損した気分だった。


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フジロック終了後、帰り道に皆が口々に声を揃えて


BBQは失敗だった」と言った。


しかし、人間は時間と共に記憶を美化するのである。


次の年には、

「去年のリベンジBBQやるぞー!」

となり、結果3度目の正直に裏切られるまで

この貧乏臭いバーベキューは続いた。


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あれから一度もフジロックBBQをやらなくなったが、今もあのエリアを横切ると、かつての自分達の姿が浮かび上がる。


あの頃のフジロックでは、

たくさん失敗をしていた。


経験を積んだ今、あんな失敗をすることは滅多にないのだが、今でも友人とフジロックの思い出話で大笑いするのは、あのBBQをはじめとする数々の失敗談だ。



次のフジロックでは、なにか失敗にチャレンジしようと思うのだ。


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